Poetry in Movies

【映画の中の詩】『ジェニーの肖像』(1948)






ジェニファー・ジョーンズ、ジョゼフ・コットン主演。

孤独な画家と「時をかける少女」ジェニーの時空をこえた真実の愛の物語。多くの映画監督、作家に影響を与えた映画。
冒頭引用されるのは「美は真理、真理は美」という、キーツの『ギリシァの古甕のオード』

美は真実で、真実は美 それがすべて
Beauty is truth, truth beauty,―that is all


そうすべてなのだ―あなたが知るべきことの
Ye know on earth, and all ye need to know

キーツによれば想像力が捉えた「聞こえない音楽は聞こえる音楽より美し」く、そうであるならその美しさは真実であり、過去も現在となり、失われることはない。

ジェニーが歌うところは原作にもあります。

どこからわたしが来たのやら
だあれも知りはせぬ
でもわたしの行くほうへ
みんなが行くの
風は吹き
海は流れ――
でも誰ひとり知りゃしない


『ジェニイの肖像』( R.ネイサン著 、山室静訳) https://dl.ndl.go.jp/pid/1692769/1/10

画廊の女性が「ブラウニングのアンドレア・デル・サルトについての詩を読んだことがありますか」と言い、「すべてを持ちながら、何も持たない」「完璧な画家」というフレーズを引用しながら主人公の絵を批評し、「どこにも愛がない」というシーンがあります。

しかし、ロバート・ブラウニングの詩『アンドレア・デル・サルトオ』には該当する詩句は見つけられませんでした。あくまでもその詩の意図するところを主人公の絵が想起させた、ということで具体的な引用というわけではないようです。

『ブラウニング詩集』野口米次郎 訳 https://dl.ndl.go.jp/pid/1180688/1/10

Tag: 映画の中の詩


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Last-modified: 2024-01-11 (木) 01:36:17