Poetry in Movies

【映画の中の詩】『銀座化粧』 (1951)



詩が必要なとき

子夜『恋愛天文学』(佐藤春夫訳)
儂作北斗星
千年無転移
歓行白白心
朝東暮還西


われは北斗の星にして
千年ゆるがぬものなるを
君がこころの天つ日や
あしたはひがし暮は西

成瀬巳喜男監督   田中絹代 堀雄二 香川京子

このシーンだけ見るとロマンチックな関係に思えますがそういうわけではありません。田中絹代の方は好意を持っているのですが、堀雄二は別になんとも思っておらず、このあと香川京子に一目惚れしてプロポーズしてしまいます。

詩は佐藤春夫が中国女流詩人の作品を訳出した『車塵集』より。
この映画に出てくるのは東へ西へとふらふらと身の置き場の定まらないダメ男ばかりなのでした。

人生において詩が必要なのはいかなる時なのか?
私は長いこと詩から離れていたことがあるので田中絹代派です。
でも、忙しいときこそ詩が必要なのだ、というのも今はわかる。人生の終わりに向かって段々と早足になっているときにも詩は必要なのでしょう。

参考リンク
「車塵集」自選佐藤春夫全集 第1巻 (詩集 第1) https://dl.ndl.go.jp/pid/1664380/1/124

漢詩入門 (民族教養新書) 斎藤二 著 https://dl.ndl.go.jp/pid/1660538/1/128



Tag: 映画の中の詩


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Last-modified: 2024-03-08 (金) 22:30:05