ジキタリスのぼりつめたるときに逢う十五のわれと避暑地のアリス 遠くまで荒模様の風吹く森に石榴の花を少女は拾う 道化師の妻となりゆく六月の少女は住めり古き教会 紫陽花や暗き道化の横顔に習いおぼえし賛美歌と接吻(キス) 紫陽花と鸚鵡(おうむ)と古き教会とふるさともまたエピローグかな 十五歳無傷のままの少年の海と少女と花火の記憶
【削氷(けずりひ)】 【避暑地のアリス】 【カーテンの裏の異郷】 【姿見】 【ネメシス】 【封蝋】 【贋作】『サラダ記念日』