手掴みの愛語はげしき麦わらの帽子で海をすくうごとくに マッチ擦り尽くしても鎮まりきらぬものわが内にあるを知るか君 炎昼に海辺のピアノ焼け落ちて音響くとき火宅も踊る 夏帽におさめた君の黒髪をほどけば左右対称の月 君とわがたましい堕ちること知らず王の兵士も馬もまどろむ
【削氷(けずりひ)】 【避暑地のアリス】 【カーテンの裏の異郷】 【姿見】 【ネメシス】 【封蝋】 【贋作】『サラダ記念日』