Reviews

misuzu.jpg
『明るいほうへ明るいほうへ・童謡詩人金子みすゞ』(TBS)というドラマを見ました。正直言っていまひとつという気がしたのですが、みなさんはどうでしたでしょうか。

主演の松たか子は嫌いじゃないし、才能ある女優さんだとは思うのですが、みすゞを演じるには適役とは言えないような気がしました。きれいすぎるようにも思うし・・・(^^;
容姿のことだけじゃなくて、なんか精神の陰影というか、二重性のようなものを感じさせない、悪い意味できれいきれいしすぎてるように見えました。


 青いお空の底ふかく、
 海の小石のそのように、
 夜がくるまで沈んでる、
 昼のお星は眼にみえぬ。
  見えぬけれどもあるんだよ、
  見えぬものでもあるんだよ。

       「星とたんぽぽ」

 
沈んでいる、のはなにも美しいものとばかりは限るまい。見えるものと見えないものは決して相反するものではなくて裏返しにすぎないと思うのです。おとぎ話の王と道化のようなものです。どうもぼくは今の「みすゞブーム」といわれる現象のなかのみすゞ像というのが平板なものに思えてしかたないのですが。
今秋公開の映画版*1ではそのへんどう描かれるのかな?主演は田中美里。これもきれいすぎるような・・・。まあ、脚本と演出次第なのでしょうが。
地味ですが数年前にNHKでやったときの小林綾子のみすゞ*2なんかよかったような記憶があります。舞台版の斉藤由貴も見てみたいですね。


「明るいほうへ明るいほうへ」
出演: 松たか子, 渡部篤郎, 三宅健, 菅野美穂, 中田喜子
販売元: TBS
DVD発売日: 2001/11/22
時間: 125 分
内容(「Oricon」データベースより)
26歳で亡くなった昭和初期の天才童謡詩人“金子みすゞ”の半生を描いたドラマ。出演は松たか子、渡部篤郎ほか。

「みすゞ」
出演: 田中美里, 中村嘉葎雄, 永島暎子, 加瀬亮
監督: 五十嵐匠
販売元: 紀伊國屋書店
DVD発売日: 2004/05/22
時間: 105 分
内容(「Oricon」データベースより)
西條八十に絶賛を受けながらも、26歳で夭折した童話詩人、金子みすゞ。優れた素晴らしい作品を残しながらも自ら死を選んだ彼女のその温かい優しい詩作の裏に秘められた真実に迫った作品。


関連リンク

金子みすゞ(長周新聞)

Tag: 詩人


*1 「みすゞ」http://replay.waybackmachine.org/20090414183810/http://www.kinokuniya.co.jp/01f/misuzu/
*2 NHKスペシャル「こころの王国 童謡詩人 金子みすゞの世界」http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200999508270130122/

トップ   編集 凍結 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2021-01-31 (日) 04:37:00