#author("2021-01-19T12:51:39+01:00","","") #author("2021-01-31T12:31:03+09:00","default:minoru","minoru") #menu(mumonkanMenu) 【第38則】 > ''三十八 牛過窓櫺''&br; ''五祖曰、譬如水牯牛過窓櫺、頭角四蹄都過了、因甚麼尾巴過不得。'' ''無門曰、若 向者裏顛倒、著得一隻眼、下得一轉語、可以上報四恩下資三有。其或未然、更須照顧尾巴始得。''&br; ''頌曰'' ''過去墮抗壍 回來却被壞'' ''者些尾巴子 直是甚奇怪'' ~ 三十八 牛、窓櫺(そうれい)を過ぐ&br; 五祖曰く、「譬えば水コ牛の窓櫺を過ぐるが如き、頭角四蹄(ずかくしたい)都(す)べて過ぎ了るに、因ってか尾巴(びは)過ぐることを得ざる」。&br; 無門曰く、「若し者裏に向かって顛倒(てんどう)して、一隻眼を著け得、一転語を下し得ば、以って上四恩に報じ、下三有(しもさんぬ)を資(たす)くべし。其れ或いは未だ然らずんば、更に須らく尾巴を照顧して始めて得ばし」。&br; 頌に曰く 過ぎ去れば抗ザンに堕ち、回り来たれば却って壊(やぶ)らる。 者些(しゃし)の尾巴子(びはす)、直に是れ甚だ奇怪なり。 &br; >''法演 『たとえば水牛が通り過ぎるのを窓の格子ごしに見ているとしよう。頭が通り過ぎる。続いて角が、前脚が、後ろ脚が通り過ぎた。ところが、しっぽだけがいつまでたっても通り過ぎない。どうゆうことだろう』'' &br; 「<窓>ってなんや?そして、その窓で行方不明になった<牛のしっぽ>とは?」 「ココロは開けても開けても部屋のない扉。痛い窓」 &br; > >> 『Nu』 田村隆一&br; > 『Nu』 田村隆一&br; 窓のない部屋があるように 心の世界には部屋のない窓がある &br; 蜜蜂の翅音 ひき裂かれる物と心の皮膚 ある夏の日の雨の光り そして死せる物のなかに &br; あなたは黙って立ちどまる まだはっきりと物が生れないまえに 行方不明になったあなたの心が 窓のなかで叫んだとしても &br; ぼくの耳は彼女の声を聴かない ぼくの眼は彼女の声を聴く &br; 1999/04/17 &br; →[[三十九【雲門話墮】>MUMONKAN/雲門話墮]]