#author("2021-01-19T11:16:42+01:00","","") #author("2021-01-31T11:36:29+09:00","default:minoru","minoru") #menu(mumonkanMenu) 【第8則】 > ''八 奚仲造車''&br; ''月庵和尚問僧、奚仲造車一百輻。拈却兩頭、去却輻、明甚麼邊事。'' ''無門曰、若也直下明得、眼、似流星、機、如掣電。''&br; ''頌曰'' ''機輪轉處 達者猶迷'' ''四維上下 南北東西'' ~ ~ 八 奚仲(けいちゅう)、車を造る&br; 月庵(げったん)和尚、僧問う、「奚仲、車を造ること一百輻(ぷく)。両頭を拈却(ねんきゃく)し、輻を去却(こきゃく)して、甚麼辺(なにへん)の事を明らむ」&br; 無門曰く、「若し也(ま)た直下(じきげ)に明らめ得ば、眼(まなこ)、流星に似、機、掣電(せいでん)の如くならん」。&br; 頌に曰く 機輪(きりん)転ずるところ、達者も猶(な)お迷う。 四維上下(しいじょうげ)、南北東西。 &br; 「「奚仲という車作りの名人は百台もの車を造ったうえで、車輪と車軸を取り外してしまった。ナゼ?」 「中島敦の短編『名人伝』を思い出す」 「弓矢自慢の男が矢を射ずに鳥を射落とす仙人に弟子入りして、ついに神技に達するハナシね」 「もう弓矢も不要になって、鳥も盗賊も男の”気”を感じ取って近寄らなくなる。晩年には弓矢を手にとっても”これは何に使う道具でしたかな?”と、ひとに 聞くほどの境地になる。ボケたわけじゃないよ」 「中国的なホラ話、という気がする」 「でも公案だからね」 「けど、あんまりマジメに考えない方が楽しいかもよ」 &br; > >> 『素朴な琴』 八木重吉&br; > 『素朴な琴』 八木重吉&br; この明るさのなかへ ひとつの素朴な琴をおけば 秋の美しさに耐えかね 琴はしずかに鳴りいだすだろう &br; 1998/11/25 &br; →[[九【大通智勝】>MUMONKAN/大通智勝]]