#author("2021-01-19T12:46:50+01:00","","") #author("2021-01-31T12:07:28+09:00","default:minoru","minoru") #menu(mumonkanMenu) 【第30則】【第33則】 > ''三十 即心即佛''&br; ''馬祖、因大梅問、如何是佛。祖云、即心是佛。'' ''無門曰、若能直下領略得去、著佛衣、喫佛飯、説佛話、行佛行、即是佛也。然雖如是、大梅引多少人、錯認定盤星。爭知道説箇佛字、三日漱口。若是箇漢、見説即心是佛、掩耳便走。''&br; ''頌曰'' ''青天白日 切忌尋覓'' ''更問如何 抱贓叫屈'' ~ > 三十 即心即仏&br; 馬祖、因みに大梅(だいばい)問う、「如何なるか是れ仏」。 祖云く、「即心是仏(そくしんぜぶつ)」。&br; 無門曰く、「若し能(よ)く直下に領略し得去らば、仏衣を著(つ)け、仏飯を喫 し、仏話を説き、仏行を行ずる、即ち是れ仏なり。是の如くなりと然雖も、大 梅、多少の人を引いて、錯って定盤星(じょうばんじょう)を認めしむ。争(い か)でか知道(し)らん箇の仏の字を説けば、三日口を漱(そそ)ぐことを。若し 是れ箇の漢ならば、即心是仏と説くを見て、耳を掩(おお)うて便ち走らん」。&br; 頌に曰く 青天白日、切に忌む尋覓(じんみゃく)することを。 更に如何と問えば、贓(ぞう)を抱いて屈と叫ぶ。 ~ > ''三十三 非心非佛''&br; ''馬祖、因僧問、如何是佛。祖曰、非心非佛。'' ''無門曰、若向者裏見得、參學事畢。''&br; ''頌曰'' ''路逢劍客須呈不遇詩人莫獻'' ''逢人且説三分未可全施一片'' ~ 三十三 非心非仏(ひしんひぶつ)&br; 馬祖、因みに僧問う、「如何なるか是れ仏」。 祖曰く、「非心非仏」。&br; 無門曰く、「若し者裏に向かって見得せば、参学の事(じ)畢(おわ)んぬ」。&br; 頌に曰く 路に剣客逢わば、須(すべか)らく呈すべし、詩人に遇わずんば献ずること莫れ。 人に逢うては且らく三分を説け、未だ全く一片を施すべからず。 &br; 「三十則と三十三則は同じ『如何なるか是れ仏』という問いに、馬祖がちがう答えをしている。 &br; ''僧『ホトケとは何ぞや?』'' &br; 馬祖の答え &br; ''(a)『ココロがすなわちホトケなのさ』<30則>'' ''(b)『ココロじゃないし、ホトケでもないね』<33則>'' &br; という」 「矛盾してるなあ。とくにあとのほうは論理的に破綻してる」 「十九則【平常是道】の南泉と趙州の対話を思い出せばいいかと思う。もともと『平常心(びょうじょうしん)これ道』というのは馬祖のコトバとして有名なもので、南泉はそれを引用してるんや。まあ、ほんとはこの矛盾を矛盾のまま受け入れるのがいいんやろうけど、無理にリクツをつければ、(a)は「絶対」的な意味でのココロについて言ってる。(b)は、その「絶対」的なココロもそれにこだわれば、もう「絶対」じゃない。分別されたものだよ、ということなんでしょう。ふたたび臨済に登場してもらおう。『臨済録』より」 >''師、衆に示して云く、道流、仏法は用功(ゆうこう)の処無し、祗(た)だ是れ平常無事。■(尸+阿/あ)屎送尿(しそうにょう)、著衣喫飯(じゃくえきっぱん)、因れ来たれば即ち臥す。愚人は我らを笑うも、智は乃ち焉(これ)を知る。古人云く、外に向かって工夫を作すは、総べて是れ痴頑(ちがん)の漢なり、と。'' ''■(イ+尓/なんじ)且く随所に主と作れば、立処皆な真なり。境来るも回換(えかん)すること得ず。縦(たと)い従来の習気(じっけ)、五無間の業有るも、自ら解脱の大海と為る。'' ~ 臨済『みんな、仏法はてまひまかけるものじゃないぞ。そのまんまでありさえすればいいんだから。クソしたけりゃするし、腹へりゃ食らい、シンドクなりゃ寝っころがりゃいい。オロカなやつらには笑わせとけ。 わかるやつはわかるのさ。古人云く、<自分の外でちやほやされて喜んでるやつは、くるくるぱあ>さ。 キミら、いまここで主人公になれ。キミの立っているところが真の世界だ。何者もキミの世界を変えることはできない。Nothing's gonna change my world! 過去のシガラミも大罪も勝手に解脱の海に泳いで行っちまうんだ』 &br; > >> 『ニューヨーク公立図書館にて』 アレン・ギンズバーグ&br; > 『ニューヨーク公立図書館にて』 アレン・ギンズバーグ&br; はだしをひきずって 洞穴から出て 木のしたに来る &br; まゆは 泣きはらして長く かぎ鼻は悲しみ &br; ぼろぼろのころも りっぱなひげ 不孝な手は &br; はだかの胸に組み へりくだることはへとへとなことだ へりくだることはへとへとなことだ &br; よろめきながら 流れのほとりの茂みにはいる すべての無生物は &br; 彼の知性をのぞいて 直立している ふるえながら も &br; 羅漢は 天国をもとめた 石の山のしたで &br; すわって かんがえ ついに わかった 祝福の地の存在は &br; 想像のなかだ---- ひらめ来る 虚の鏡--- &br; 生まれかわることはつらい りっぱなひげをはやして もういちど世界にはいること &br; めためたな聖人 目のまえの地は道のみだ 彼のたましいが見える &br; 彼はなにも知らない 神とおなじだ ふるえる &br; やさしい みじめなひと へりくだることは へとへとなことだ 世界をまえにして &br; (片桐ユズル訳) &br; 1999/02/06 &br; →[[三十一【趙州勘婆】>MUMONKAN/趙州勘婆]]