Poems
眩暈 あなたが悪戯な口笛のように 夏の庭に撒水するので わたしの虹は劇的な哲学となりました これはわたしらの恋の底なのでしょうか あ、また 香水瓶のなかに夕立の雲を閉じ込めましたね こうして透かして見れば あなたの長い手紙の理由(わけ)も知れましょう 始まるはずのないものが始まった これは眠りのない夢なのですから 終わるはずのないものが終わることもありましょう 鏡のなかの顔ならすっかり暗記しましたよね でもこころはすぐに変わります ――――階段を半分降りたら振り返ってください