The Renaissance by Walter Pater
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**ペイター「ルネサンス」
1
『ルネサンス』の「序論」でペイターは「美は、人間の経験に...
「対象をあるがままに見る」とはマシュー・アーノルドのコト...
また「印象」とはいかなるものか ------。
>
ペイターよすべて
ポプラの木のささやき
だが『影よさようなら』
水にうつる木は切られてしまった」
&br;
(西脇順三郎『コップの黄昏』)
『世界の詩論』(青土社)の<T.E.ヒューム「ベルグソンの芸術...
>「もし実在(リアリティ)が感性や意識と直接に接触し得るも...
&br;
「何人も熟知している事実だが、常人は事物をそのあるがまま...
(ヒューム「ベルグソンの芸術論」長谷川鑛平訳)
しかし同じことはすでにペイターによって論じられていたので...
西脇は『現代詩の意義』という評論の中で「今日エリオット氏...
>「顔や手足の明瞭ないつも変わらぬ輪郭は、われわれ自身のも...
(『ルネサンス』「結論」)
ペイターは「言葉によって堅固な実質を与えられている事物の...
そのようにたえず流動し分解してゆく世界の瞬間のリアリティ...
そしてこの瞬間を見逃さないこと、「対象をあるがままに見る...
>「われわれはいかにして見ることができるのか。いかにすれば...
&br;
この固い宝石さながらの焔を絶えず燃やしつづけること、この...
&br;
「われわれの経験がかくも華々しくしかも恐ろしいまでに短い...
(「結論」)
そして「詩的情熱、美への願望、芸術のための芸術への愛」こ...
>「深い意味を持つ生気あふれる一瞬。ただ一つの仕種、表現、...
(「ジョルジョーネ派」)
>「それ自体は青白く無力な光線を一点に集めて燃えあがらせる...
(「ヴィンケルマン」)
2
ペイターはヴィンケルマンの人物像について
>「そこにはいつも、何か新しいものを発見する願望よりも、失...
(「ヴィンケルマン」)
と言っているが、それはかれ自らの性向でもあったろう。
>「われわれの生活のなかの現実的なものは、流れの上にかつ消...
(『ルネサンス』「結語」)
結局ペイターにとって、美とは追憶である。
>ああ麗はしい距離(デスタンス)
常に遠のいてゆく風景・・・・・・・・・
&br;
悲しみの彼方、母への
捜り打つ夜半の最弱音(ピアニツシモ)。
&br;
(吉田一穂『母』)
眼にうつるものを絶えず遠ざかっていくものとして見ること、...
そして追憶であるために、かれとかれの美学を奉じるものにと...
>「かつて生ける男女の興味を呼び起したもの……彼らが語った言...
(「ピコ・デルラ・ミランドラ」)
>現在の中に
過去の記憶を入れて
現在の喜劇をつくる
過去を現在にする
「恐怖のよろこび」だ
このハハコグサも
限りない人間の追憶の
一瞬の神の笑いだ
この硯の石も
無限の追憶の荒野に
ころがつているのだ
意識は過去だ
意識の流れは追憶のせせらぎだ
時の流れは意識の流れだ
進化も退化もしない
変化するだけだ
存在の意識は追憶の意識だ
「現在」は文法学者が発見した
イリュージョンである
&br;
(西脇順三郎『えてるにたす』より)
3
T.S.エリオットは「アーノルドとペイター」という評論のなか...
>「その内容は古典学教授の学識や感じやすい観光客のイタリー...
([[『文芸批評論』矢本貞幹訳/岩波文庫:https://amzn...
と低い評価しか与えていない。たしかにペイターの作品は多様...
そのかれの立場からみればペイターの「印象」などは非常に個...
またペイターの文学は追憶の文学であるから、個々の引用の内...
Googleで「ペイター ルネサンス」を検索したらなんと三番目...
これはいかにウェブ上においてペイターについて語る人が少な...
なぜこうなってしまったのかにはいろいろ理由はあるだろうが...
>「あらゆる芸術は音楽の状態を憧れる」(『ルネサンス』「ジ...
といった断片的なコトバだけがただ知られるばかりで、だれも...
エリオットは二十世紀の詩に巨大な足跡を残したし、リチャー...
いまやわれわれじしんの「歴史的意識」を二十世紀的な詩の見...
ているのではないだろうか。
あらゆる芸術になにか根本的に共通するひとつの想像的な思考...
>「各芸術の感覚的内容は、他の芸術の形には翻訳不可能な特殊...
(「ジョルジョーネ派」)
たとえば絵画であれば、その主題の文学的要素------題材が劇...
>「まず第一に、感覚を喜ばさなくてはならない。ヴェネツィア...
(ジョルジョーネ派」)
のである。
>「芸術は、単なる理知から独立して、純粋な知覚の対象となる...
(「ジョルジョーネ派」)
『ルネサンス』のなかでも、もっともよく知られた一節、
>「あらゆる芸術は音楽の状態を憧れる」(「ジョルジョーネ派...
は、こういうところからでている。
>「芸術の理想、この内容と形式の完全な一致が申分なく実現さ...
(「ジョルジョーネ派」)
高橋源一郎は、『小説教室』(岩波新書)のなかで、谷川俊太郎...
>「短い詩と、それより少し長い詩、この二つは、明らかに詩で...
しかし、なぜ詩なのか、説明してくれ、といわれると、それ...
わたしは、詩、という確固たるものがあって、それに向かっ...
谷川さんの詩では、もうこれ以上、書くべきことはない、と...
うたわれるうたを聞いている時、人は、その一つ、一つの、...
([[『小説教室』(高橋源一郎著/岩波新書):https://am...
「ことばの内容と、形が、ぴったり一致している」、「ほんと...
その吉田健一の『英国の近代文学』を読むと、吉田はヒューム...
ワイルドもシモンズもペイターからひじょうな影響を受けた弟...
エリオットは「ペイターはこの本で後の世代に属する一流の人...
>「模倣と類似を基準とする「模倣的」芸術から、「形式の感覚...
([[「モダニズムの詩学」丹治愛(みすず書房):https:/...
というような先覚者としての栄光もペイターのものであること...
2003/10
(注:『ルネサンス』からの引用は[[富士房百科文庫版(別宮...
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**ペイター「ルネサンス」
1
『ルネサンス』の「序論」でペイターは「美は、人間の経験に...
「対象をあるがままに見る」とはマシュー・アーノルドのコト...
また「印象」とはいかなるものか ------。
>
ペイターよすべて
ポプラの木のささやき
だが『影よさようなら』
水にうつる木は切られてしまった」
&br;
(西脇順三郎『コップの黄昏』)
『世界の詩論』(青土社)の<T.E.ヒューム「ベルグソンの芸術...
>「もし実在(リアリティ)が感性や意識と直接に接触し得るも...
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「何人も熟知している事実だが、常人は事物をそのあるがまま...
(ヒューム「ベルグソンの芸術論」長谷川鑛平訳)
しかし同じことはすでにペイターによって論じられていたので...
西脇は『現代詩の意義』という評論の中で「今日エリオット氏...
>「顔や手足の明瞭ないつも変わらぬ輪郭は、われわれ自身のも...
(『ルネサンス』「結論」)
ペイターは「言葉によって堅固な実質を与えられている事物の...
そのようにたえず流動し分解してゆく世界の瞬間のリアリティ...
そしてこの瞬間を見逃さないこと、「対象をあるがままに見る...
>「われわれはいかにして見ることができるのか。いかにすれば...
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この固い宝石さながらの焔を絶えず燃やしつづけること、この...
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「われわれの経験がかくも華々しくしかも恐ろしいまでに短い...
(「結論」)
そして「詩的情熱、美への願望、芸術のための芸術への愛」こ...
>「深い意味を持つ生気あふれる一瞬。ただ一つの仕種、表現、...
(「ジョルジョーネ派」)
>「それ自体は青白く無力な光線を一点に集めて燃えあがらせる...
(「ヴィンケルマン」)
2
ペイターはヴィンケルマンの人物像について
>「そこにはいつも、何か新しいものを発見する願望よりも、失...
(「ヴィンケルマン」)
と言っているが、それはかれ自らの性向でもあったろう。
>「われわれの生活のなかの現実的なものは、流れの上にかつ消...
(『ルネサンス』「結語」)
結局ペイターにとって、美とは追憶である。
>ああ麗はしい距離(デスタンス)
常に遠のいてゆく風景・・・・・・・・・
&br;
悲しみの彼方、母への
捜り打つ夜半の最弱音(ピアニツシモ)。
&br;
(吉田一穂『母』)
眼にうつるものを絶えず遠ざかっていくものとして見ること、...
そして追憶であるために、かれとかれの美学を奉じるものにと...
>「かつて生ける男女の興味を呼び起したもの……彼らが語った言...
(「ピコ・デルラ・ミランドラ」)
>現在の中に
過去の記憶を入れて
現在の喜劇をつくる
過去を現在にする
「恐怖のよろこび」だ
このハハコグサも
限りない人間の追憶の
一瞬の神の笑いだ
この硯の石も
無限の追憶の荒野に
ころがつているのだ
意識は過去だ
意識の流れは追憶のせせらぎだ
時の流れは意識の流れだ
進化も退化もしない
変化するだけだ
存在の意識は追憶の意識だ
「現在」は文法学者が発見した
イリュージョンである
&br;
(西脇順三郎『えてるにたす』より)
3
T.S.エリオットは「アーノルドとペイター」という評論のなか...
>「その内容は古典学教授の学識や感じやすい観光客のイタリー...
([[『文芸批評論』矢本貞幹訳/岩波文庫:https://amzn...
と低い評価しか与えていない。たしかにペイターの作品は多様...
そのかれの立場からみればペイターの「印象」などは非常に個...
またペイターの文学は追憶の文学であるから、個々の引用の内...
Googleで「ペイター ルネサンス」を検索したらなんと三番目...
これはいかにウェブ上においてペイターについて語る人が少な...
なぜこうなってしまったのかにはいろいろ理由はあるだろうが...
>「あらゆる芸術は音楽の状態を憧れる」(『ルネサンス』「ジ...
といった断片的なコトバだけがただ知られるばかりで、だれも...
エリオットは二十世紀の詩に巨大な足跡を残したし、リチャー...
いまやわれわれじしんの「歴史的意識」を二十世紀的な詩の見...
ているのではないだろうか。
あらゆる芸術になにか根本的に共通するひとつの想像的な思考...
>「各芸術の感覚的内容は、他の芸術の形には翻訳不可能な特殊...
(「ジョルジョーネ派」)
たとえば絵画であれば、その主題の文学的要素------題材が劇...
>「まず第一に、感覚を喜ばさなくてはならない。ヴェネツィア...
(ジョルジョーネ派」)
のである。
>「芸術は、単なる理知から独立して、純粋な知覚の対象となる...
(「ジョルジョーネ派」)
『ルネサンス』のなかでも、もっともよく知られた一節、
>「あらゆる芸術は音楽の状態を憧れる」(「ジョルジョーネ派...
は、こういうところからでている。
>「芸術の理想、この内容と形式の完全な一致が申分なく実現さ...
(「ジョルジョーネ派」)
高橋源一郎は、『小説教室』(岩波新書)のなかで、谷川俊太郎...
>「短い詩と、それより少し長い詩、この二つは、明らかに詩で...
しかし、なぜ詩なのか、説明してくれ、といわれると、それ...
わたしは、詩、という確固たるものがあって、それに向かっ...
谷川さんの詩では、もうこれ以上、書くべきことはない、と...
うたわれるうたを聞いている時、人は、その一つ、一つの、...
([[『小説教室』(高橋源一郎著/岩波新書):https://am...
「ことばの内容と、形が、ぴったり一致している」、「ほんと...
その吉田健一の『英国の近代文学』を読むと、吉田はヒューム...
ワイルドもシモンズもペイターからひじょうな影響を受けた弟...
エリオットは「ペイターはこの本で後の世代に属する一流の人...
>「模倣と類似を基準とする「模倣的」芸術から、「形式の感覚...
([[「モダニズムの詩学」丹治愛(みすず書房):https:/...
というような先覚者としての栄光もペイターのものであること...
2003/10
(注:『ルネサンス』からの引用は[[富士房百科文庫版(別宮...
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