MUMONKAN/香嚴上樹
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【第5則】
>
''五 香嚴上樹''&br;
''香嚴和尚云、如人上樹、口啣樹枝、手不攀枝、脚不踏樹。樹...
''無門曰、縱有懸河之辨、惣用不著。説得一大藏教、亦用不著...
''頌曰''
''香嚴眞杜撰 惡毒無盡限''
''唖却納僧口 通身迸鬼眼''
&br;
五 香厳(きょうげん)、樹に上る&br;
香厳和尚云く、「人の樹に上るが如し。口に樹枝を啣(ふく)み...
無門曰く、「縦(たと)い縣河(けんが)の弁有るも、惣に用不著(...
&br;
頌に曰く
香厳は真に杜撰、悪毒尽限無し。
納僧の口を唖却(あきゃく)して、通身に鬼眼を迸らしむ。
&br;
&br;
「手足を使わずにね、枝に噛みついてぶら下がってるひとがい...
「なにゆえに?」
「しらん。そのとき下から質問するひとあり、禅とはなんぞや...
「それはカワイソウ。答えるために口をひらけば落っこちる」
「といって、答えなければ非礼となる。さあ、どうするドウス...
「究極の選択、かあ」
「ふつうはこの難問も二元的な分別知に引き裂かれているわれ...
「大死一番、か」
「ぼく自身はこの公案は、『自分は何者だ?』という問いかけ...
「その場合、くわえているその枝も”自己”なんやろね。自分へ...
「うん。無門は『どんなに弁舌さわやかでも役には立たないゾ...
「私とは○○である・・・・・、というカタチで言おうとすれば...
「そして、ひとはこの矛盾からのがれることはできんと思う。...
&br;
>
> 『旅 7』 谷川俊太郎&br;
岩が空と釣り合っている
詩がある
私には書けない&br;
沈黙を推敲し
言葉に至る道は無い
言葉を推敲し
この沈黙に至ろう&br;
樹の形して
樹は風に鳴っている
それはどこの風景でもいい&br;
見える通りに感ずるなら
すべては美しく輝くだろう
見える通りに書けるなら
時はとどまるだろう
&br;
「コトバも詩人も”沈黙”から疎外されている兄弟のようなもの...
そして”似非沈黙化”した詩人が見るのは、みずからが無きも...
&br;
>
> 『殺しうた』 長田弘&br;
&br; 殺常之身者也 墨子&br;
&br;死んでいる、
殺されている。&br;
路上で一人。
バルコニーで一人。&br;
きょうびまた
殺しがつづく。&br;
部屋で一人。
階段で一人。&br;
沙汰にならない。
花束はない。&br;
血もなく
殺して殺されて、&br;
初めに言葉。
そしてそれから、&br;
それから殺人。
終わりはない。&br;
戸口で一人。
屋上で一人。&br;
死んでいる、
殺されている。&br;
昨日も、
一昨日も、&br;
ひとが言葉を、
言葉がひとを、&br;
きょうびまた、
殺して殺される。&br;
1998/11/15
&br;
→[[六【世尊拈花】>MUMONKAN/世尊拈花]]
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【第5則】
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''五 香嚴上樹''&br;
''香嚴和尚云、如人上樹、口啣樹枝、手不攀枝、脚不踏樹。樹...
''無門曰、縱有懸河之辨、惣用不著。説得一大藏教、亦用不著...
''頌曰''
''香嚴眞杜撰 惡毒無盡限''
''唖却納僧口 通身迸鬼眼''
&br;
五 香厳(きょうげん)、樹に上る&br;
香厳和尚云く、「人の樹に上るが如し。口に樹枝を啣(ふく)み...
無門曰く、「縦(たと)い縣河(けんが)の弁有るも、惣に用不著(...
&br;
頌に曰く
香厳は真に杜撰、悪毒尽限無し。
納僧の口を唖却(あきゃく)して、通身に鬼眼を迸らしむ。
&br;
&br;
「手足を使わずにね、枝に噛みついてぶら下がってるひとがい...
「なにゆえに?」
「しらん。そのとき下から質問するひとあり、禅とはなんぞや...
「それはカワイソウ。答えるために口をひらけば落っこちる」
「といって、答えなければ非礼となる。さあ、どうするドウス...
「究極の選択、かあ」
「ふつうはこの難問も二元的な分別知に引き裂かれているわれ...
「大死一番、か」
「ぼく自身はこの公案は、『自分は何者だ?』という問いかけ...
「その場合、くわえているその枝も”自己”なんやろね。自分へ...
「うん。無門は『どんなに弁舌さわやかでも役には立たないゾ...
「私とは○○である・・・・・、というカタチで言おうとすれば...
「そして、ひとはこの矛盾からのがれることはできんと思う。...
&br;
>
> 『旅 7』 谷川俊太郎&br;
岩が空と釣り合っている
詩がある
私には書けない&br;
沈黙を推敲し
言葉に至る道は無い
言葉を推敲し
この沈黙に至ろう&br;
樹の形して
樹は風に鳴っている
それはどこの風景でもいい&br;
見える通りに感ずるなら
すべては美しく輝くだろう
見える通りに書けるなら
時はとどまるだろう
&br;
「コトバも詩人も”沈黙”から疎外されている兄弟のようなもの...
そして”似非沈黙化”した詩人が見るのは、みずからが無きも...
&br;
>
> 『殺しうた』 長田弘&br;
&br; 殺常之身者也 墨子&br;
&br;死んでいる、
殺されている。&br;
路上で一人。
バルコニーで一人。&br;
きょうびまた
殺しがつづく。&br;
部屋で一人。
階段で一人。&br;
沙汰にならない。
花束はない。&br;
血もなく
殺して殺されて、&br;
初めに言葉。
そしてそれから、&br;
それから殺人。
終わりはない。&br;
戸口で一人。
屋上で一人。&br;
死んでいる、
殺されている。&br;
昨日も、
一昨日も、&br;
ひとが言葉を、
言葉がひとを、&br;
きょうびまた、
殺して殺される。&br;
1998/11/15
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→[[六【世尊拈花】>MUMONKAN/世尊拈花]]
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