MUMONKAN/雲門話墮
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【第39則】
>
''三十九 雲門話墮''&br;
''雲門、因僧問、光明寂照遍河沙。一句未絶、門遽曰、豈不是...
''無門曰、若向者裏見得雲門用處孤危、者僧因甚話墮、堪與人...
''頌曰''
''急流垂釣 貪餌者著''
''口縫纔開 性命喪却''
三十九 雲門の話堕(わだ)&br;
雲門、因みに僧問う、「光明寂照遍河沙(こうみょうじゃくしょ...
僧云く、「是」。
門云く、「話墮せり」。
後来、死心拈じて云く、「且く道え、那裏か是れ者の僧が話堕...
無門曰く、「若し者裏に向かって雲門の用処孤危(ゆうじょこき...
頌に曰く
急流に釣を垂る、餌を貪る者は著く。
口縫(こうぼう)纔かに開けば、性命喪却(しょうみょうそうきゃ...
&br;
>''僧 『光明寂かに世界を照らしわたり・・・・・・』''
''雲門 『待った!そりゃ張拙秀才のコトバとちがうかい』''
''僧 『そうです』''
''雲門 『ソウデス・・・・・・。コトバと心中するのかい』''
&br;
「二十八則【久嚮龍潭】に同じ。コトバの一回性ということが...
&br;
>「考え過ぎる」ということは、しばしば、心の奥のどこかに「...
成熟した精神は、その反対に、コトバは何についてもすべてを...
(S.I.ハヤカワ『思考と行動における言...
&br;
>
> 『えてるにたす』より 西脇順三郎&br;
シムボルはさびしい
言葉はシムボルだ
言葉を使うと
脳髄がシムボル色になつて
永遠の方へ傾く
シムボルのない季節にもどろう
こわれたガラスのくもりで
考えなければならない
コンクリートのかけらの中で
秋のような女の顔を見つけ
なければならない季節へ
存在はみな反射のゆらめきの
世界へ
寺院の鐘は水の中に鳴り
逆さの尖塔に
うぐいすが走り
ひつじぐさが花咲く
雲の野原が
静かに動いている
&br;
夏の林檎の中に
テーブルの秋の灰色が写る
言葉の曖昧の七燈が
人間の脳髄を照らすだけだ
おおや石の壁の上から
ヤカの花茎がつき出る
過去は現在を超えて
未来につき出る
「どうしましよう」
&br;
石の下で魚が眼をあけている
まだまだ大変なことが起こつている
女の驚きのことばは
クレオパートラが酒をつぎながら
ほめられた時に使う反射だ
水たまりに捨てられた茶碗
遊んでいた子供たちが去つたあと
どじょうの背中にある紋章
橋を渡つている狂人
竹藪に投げこまれた石のふためき
鍬にあたる隕石のさけび
旅人の帽子に残るやぶじらみ
パウンドののどだんごの動き
土のついた
タビラコの
にがい根を
かじりながら
逃走する男
これらは何ものも象徴しない
象徴しないものほど
人間を惹きつける
生きていることは
よく聞こえないものを聞くことだ
よく見えないものを見ることだ
よく食べられないものを食うことだ
最大なエックスに向つて走るだけだ
存在は宿命だ
シムボルは悲劇だ
「あらどうしましよう」
&br;
1999/04/18
&br;
→[[四十【趯倒淨瓶】>MUMONKAN/趯倒淨瓶]]
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【第39則】
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''三十九 雲門話墮''&br;
''雲門、因僧問、光明寂照遍河沙。一句未絶、門遽曰、豈不是...
''無門曰、若向者裏見得雲門用處孤危、者僧因甚話墮、堪與人...
''頌曰''
''急流垂釣 貪餌者著''
''口縫纔開 性命喪却''
三十九 雲門の話堕(わだ)&br;
雲門、因みに僧問う、「光明寂照遍河沙(こうみょうじゃくしょ...
僧云く、「是」。
門云く、「話墮せり」。
後来、死心拈じて云く、「且く道え、那裏か是れ者の僧が話堕...
無門曰く、「若し者裏に向かって雲門の用処孤危(ゆうじょこき...
頌に曰く
急流に釣を垂る、餌を貪る者は著く。
口縫(こうぼう)纔かに開けば、性命喪却(しょうみょうそうきゃ...
&br;
>''僧 『光明寂かに世界を照らしわたり・・・・・・』''
''雲門 『待った!そりゃ張拙秀才のコトバとちがうかい』''
''僧 『そうです』''
''雲門 『ソウデス・・・・・・。コトバと心中するのかい』''
&br;
「二十八則【久嚮龍潭】に同じ。コトバの一回性ということが...
&br;
>「考え過ぎる」ということは、しばしば、心の奥のどこかに「...
成熟した精神は、その反対に、コトバは何についてもすべてを...
(S.I.ハヤカワ『思考と行動における言...
&br;
>
> 『えてるにたす』より 西脇順三郎&br;
シムボルはさびしい
言葉はシムボルだ
言葉を使うと
脳髄がシムボル色になつて
永遠の方へ傾く
シムボルのない季節にもどろう
こわれたガラスのくもりで
考えなければならない
コンクリートのかけらの中で
秋のような女の顔を見つけ
なければならない季節へ
存在はみな反射のゆらめきの
世界へ
寺院の鐘は水の中に鳴り
逆さの尖塔に
うぐいすが走り
ひつじぐさが花咲く
雲の野原が
静かに動いている
&br;
夏の林檎の中に
テーブルの秋の灰色が写る
言葉の曖昧の七燈が
人間の脳髄を照らすだけだ
おおや石の壁の上から
ヤカの花茎がつき出る
過去は現在を超えて
未来につき出る
「どうしましよう」
&br;
石の下で魚が眼をあけている
まだまだ大変なことが起こつている
女の驚きのことばは
クレオパートラが酒をつぎながら
ほめられた時に使う反射だ
水たまりに捨てられた茶碗
遊んでいた子供たちが去つたあと
どじょうの背中にある紋章
橋を渡つている狂人
竹藪に投げこまれた石のふためき
鍬にあたる隕石のさけび
旅人の帽子に残るやぶじらみ
パウンドののどだんごの動き
土のついた
タビラコの
にがい根を
かじりながら
逃走する男
これらは何ものも象徴しない
象徴しないものほど
人間を惹きつける
生きていることは
よく聞こえないものを聞くことだ
よく見えないものを見ることだ
よく食べられないものを食うことだ
最大なエックスに向つて走るだけだ
存在は宿命だ
シムボルは悲劇だ
「あらどうしましよう」
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1999/04/18
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→[[四十【趯倒淨瓶】>MUMONKAN/趯倒淨瓶]]
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