MUMONKAN/倩女離魂
をテンプレートにして作成
開始行:
#menu(mumonkanMenu)
【第35則】
>
''三十五 倩女離魂''&br;
''五祖問僧云、倩女離魂、那箇是眞底。''
''無門曰、若向者裏悟得眞底、便知出殻入殻如宿旅舎。其或未...
''頌曰''
''雲月是同 渓山各異''
''萬福萬福 是一是二''
~
三十五 倩女離魂(せいじょりこん)&br;
五祖、僧に問うて云く、「倩女離魂、那箇か是れ真底」。&br;
無門曰く、「若し者裏に向かって真底を悟り得ば、便ち知らん...
頌に曰く
雲月是れ同じ、渓山各々異なり。
万福万福、是れ一か是れ二か。
&br;
>''五祖山の法演和尚が問いかけた。''
''法演『倩女という娘のからだからタマシイが抜け出たという...
「『倩女という娘のからだからタマシイが抜け出たというハナ...
「ふたりのうち、どっちがほんとの自分だったんか?」
「『離魂記』は怪談やけど、公案の場合は自己の内面のモンダ...
&br;
>二重身の現象というのは、二重人格と異なり、自分が重複存在...
――― 河合隼雄『コンプレックス』(岩波新書)
&br;
「二重身の例を河合隼雄『影の現象学』(講談社学術文庫)から...
&br;
,1:自分自身の像が見える場合。
,2:自分と姿形は違うが、自分であると直覚的に判断される場...
,3:自分の姿が鏡に映らない場合。マイナスの自己像幻視と呼...
,4:鏡に自分の姿が二人映る場合。
,5:もうひとりの自分が別の場所にいる場合。例えば「あなた...
,6:姿形や名前は、まったく別の人間なのだが、じつはもうひ...
,7:自分の外に自分が存在し、自分自身の姿を眺めている場合。
&br;
などなど。河合さんによると、すべての二重身現象の背後には...
&br;
>ユングの夢。
『・・・・・・祭壇の前のその花の上に一人のヨガ行者がこち...
――― 『コンプレックス』
>ユングの夢。
『(空飛ぶ円盤が)・・・・・・空中を飛んできた。それはひと...
&br;
これは深く、ある意味では恐ろしい夢である。現実の人物は魔...
われわれは元型としての自己について知り得べきもないが、そ...
――― 『影の現象学』
&br;
「ひとはなぜ『わたしとは何者か?』というような問いを発す...
&br;
>われわれはかつての人類が思想の完結のために、世界を死後の...
&br;
おのれの心に地獄を見出し得ぬ人は、自ら善人であることを確...
――― 『影の現象学』
&br;
「詩人はこの矛盾の地獄の闇に墜ちて一度死ぬのだ。その地獄...
&br;
>(ある女性の)夢の中で幼女は暗闇におびえつつ、明るくするこ...
シンボルの真の探索は暗がりの中で行わねばならぬ。明るさの...
啓蒙の光によってすべてを白日のもとにさらすか、暗闇に耐え...
――― 河合隼雄『無意識の構造』(中公新書)
&br;
「またもや引用ばかりになってしまったけど、でも、これらの...
&br;
詩は始めから終わっている。
&br;
めざすのは創造ではなくて再生である。
&br;
鏡のなかの’わたし’の断片を拾い集めてジグソーパズルのよう...
&br;
現実はすでに破壊されている
ゆえに
”わたし”とは「象徴」である。
&br;
コトバとは分裂した自我である
あるいは
二重写しの自我である
&br;
『判決が先で、罪は後』
&br;
置換という遊戯。愛という贖罪。
&br;
詩とは愛と幻想による象徴である
&br;
自分の外部にある言語を積み重ねるのが詩ではない。
自分を言語のなかに投げ入れて自分自身を’言語的に切断する’...
&br;
&br;
>
><心とはいかなるものを言うやらん墨絵にかきし松風の音> ...
&br;
1999/03/06
&br;
→[[三十六【路逢達道】>MUMONKAN/路逢達道]]
終了行:
#menu(mumonkanMenu)
【第35則】
>
''三十五 倩女離魂''&br;
''五祖問僧云、倩女離魂、那箇是眞底。''
''無門曰、若向者裏悟得眞底、便知出殻入殻如宿旅舎。其或未...
''頌曰''
''雲月是同 渓山各異''
''萬福萬福 是一是二''
~
三十五 倩女離魂(せいじょりこん)&br;
五祖、僧に問うて云く、「倩女離魂、那箇か是れ真底」。&br;
無門曰く、「若し者裏に向かって真底を悟り得ば、便ち知らん...
頌に曰く
雲月是れ同じ、渓山各々異なり。
万福万福、是れ一か是れ二か。
&br;
>''五祖山の法演和尚が問いかけた。''
''法演『倩女という娘のからだからタマシイが抜け出たという...
「『倩女という娘のからだからタマシイが抜け出たというハナ...
「ふたりのうち、どっちがほんとの自分だったんか?」
「『離魂記』は怪談やけど、公案の場合は自己の内面のモンダ...
&br;
>二重身の現象というのは、二重人格と異なり、自分が重複存在...
――― 河合隼雄『コンプレックス』(岩波新書)
&br;
「二重身の例を河合隼雄『影の現象学』(講談社学術文庫)から...
&br;
,1:自分自身の像が見える場合。
,2:自分と姿形は違うが、自分であると直覚的に判断される場...
,3:自分の姿が鏡に映らない場合。マイナスの自己像幻視と呼...
,4:鏡に自分の姿が二人映る場合。
,5:もうひとりの自分が別の場所にいる場合。例えば「あなた...
,6:姿形や名前は、まったく別の人間なのだが、じつはもうひ...
,7:自分の外に自分が存在し、自分自身の姿を眺めている場合。
&br;
などなど。河合さんによると、すべての二重身現象の背後には...
&br;
>ユングの夢。
『・・・・・・祭壇の前のその花の上に一人のヨガ行者がこち...
――― 『コンプレックス』
>ユングの夢。
『(空飛ぶ円盤が)・・・・・・空中を飛んできた。それはひと...
&br;
これは深く、ある意味では恐ろしい夢である。現実の人物は魔...
われわれは元型としての自己について知り得べきもないが、そ...
――― 『影の現象学』
&br;
「ひとはなぜ『わたしとは何者か?』というような問いを発す...
&br;
>われわれはかつての人類が思想の完結のために、世界を死後の...
&br;
おのれの心に地獄を見出し得ぬ人は、自ら善人であることを確...
――― 『影の現象学』
&br;
「詩人はこの矛盾の地獄の闇に墜ちて一度死ぬのだ。その地獄...
&br;
>(ある女性の)夢の中で幼女は暗闇におびえつつ、明るくするこ...
シンボルの真の探索は暗がりの中で行わねばならぬ。明るさの...
啓蒙の光によってすべてを白日のもとにさらすか、暗闇に耐え...
――― 河合隼雄『無意識の構造』(中公新書)
&br;
「またもや引用ばかりになってしまったけど、でも、これらの...
&br;
詩は始めから終わっている。
&br;
めざすのは創造ではなくて再生である。
&br;
鏡のなかの’わたし’の断片を拾い集めてジグソーパズルのよう...
&br;
現実はすでに破壊されている
ゆえに
”わたし”とは「象徴」である。
&br;
コトバとは分裂した自我である
あるいは
二重写しの自我である
&br;
『判決が先で、罪は後』
&br;
置換という遊戯。愛という贖罪。
&br;
詩とは愛と幻想による象徴である
&br;
自分の外部にある言語を積み重ねるのが詩ではない。
自分を言語のなかに投げ入れて自分自身を’言語的に切断する’...
&br;
&br;
>
><心とはいかなるものを言うやらん墨絵にかきし松風の音> ...
&br;
1999/03/06
&br;
→[[三十六【路逢達道】>MUMONKAN/路逢達道]]
ページ名: