MUMONKAN/不思善惡
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【第23則】
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''二十三 不思善惡''~
''六祖、因明上座、趁至大廋嶺。祖見明至、即擲衣鉢於石上云...
''無問曰、六祖可謂、是事出急家老婆心切。譬如新茘支剥了殻...
''頌曰''
''描不成兮畫不就 贊不及兮休生受 本來面目没處藏 世...
~
二十三 善悪を思わず~
六祖、因みに明(みょう)上座、趁(お)うて大廋(ゆ)嶺に至る。
祖、明の至るを見て、即ち衣鉢を石上に擲(な)げて云く、「此...
明、遂に之れを挙ぐるに山の如くに動ぜず、踟(ち)蹰(ちゅう)...
祖云く、「不思善、不思悪、正与麼(しょうよも)の時、那箇(な...
明、当下に大悟、遍体汗流る。泣涙作礼し、問うて曰く、「上...
祖曰く、「我れいま汝が為に説くものは、即ち密に非ず。汝若...
明云く、「其申、黄梅に在って衆に随うと雖も、実に未だ自己...
祖云く、「汝若し是の如くならば、則ち吾と汝と同じく黄梅を...
~
無門曰く、「六祖謂つべし、是の事は急家より出でて老婆心切...
頌に曰く
描けども成らず画(えが)けども就らず、賛するも及ばず、生受(...
~
「禅宗第六祖の慧能(えのう/638~713)は禅宗中興の祖といわれ...
慧能『この衣鉢は伝法のあかしであって、力で奪い合うもので...
この慧能の<力で奪い合うものではない>というコトバに慧明...
慧明『わたしが追っているのは正しい法なのです。衣鉢などで...
慧能『キミは善をなさんと信じて、衣鉢を取り返しにワタシを...
これを聞いて慧明はたちまち大悟した。汗が流れ、感涙を止め...
慧明『いま教えていただいた秘密をもっと深く知るためにはど...
慧能『そんなものは秘密でも何でもありはしないんだが・・・...
というハナシでした。慧能はこのあと十数年、隠遁生活を送っ...
「臨済の『無位の真人是れ什麼(なん)の乾屎けつ』に通じるね」
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『とっても多くのどちらの風が』 E.E.カミングス~
とっても多くのどちらの風が
ほんとうの事を夏のうそに与え
太陽をきらきらする葉で血にそめ
て不滅の星をねじってひっぱったらどうなっちゃうかな
王さまを乞食に 女王さまを らしい の状態に吹きとばせ
(友だちを悪魔に吹きとばし 空間を時間に吹きとばせ)
――空たちが首つりになり 海たちが溺れ死ぬ時
たった一つの秘密は依然として人間だろう
~
身をきるような の一ふきの風が
みぞれと雪のつもった金切り声を立てている丘の
皮を剥ぎ 草木のロープで谷間を絞め殺し
て以前に白い化粧をしている森を窒息させたらどうなっちゃう...
希望を恐怖に吹きとばし 見ることを盲目の状態に吹きとばせ
(あわれみをうらやみに吹きとばし 生気を正気に吹きとばせ)
――誰の心は山で 根は木であり
それらは もしもし を春に呼ぶのさ それはそうなのだ
~
一つの夜明けの一つの運命の一つの夢が
この宇宙を真二つにかみ切り
その墓から永遠に を剥ぎ
でぼくときみとで どこという所でない所をふりまいたら ど...
うかな
もうすぐを 決して に 決して を二度の状態に吹きとばせ
(生命を でない に吹きとばし 死を であった に吹きとば...
ぼくたちの巨大な家を別にしたら全部のものはつまんないよ
死ぬ人がとってもたくさんであればある のほどぼくたちは生...
~
(藤富保男 訳)
~
1998/12/22
~
→[[二十四【離却語言】>MUMONKAN/離却語言]]
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''二十三 不思善惡''~
''六祖、因明上座、趁至大廋嶺。祖見明至、即擲衣鉢於石上云...
''無問曰、六祖可謂、是事出急家老婆心切。譬如新茘支剥了殻...
''頌曰''
''描不成兮畫不就 贊不及兮休生受 本來面目没處藏 世...
~
二十三 善悪を思わず~
六祖、因みに明(みょう)上座、趁(お)うて大廋(ゆ)嶺に至る。
祖、明の至るを見て、即ち衣鉢を石上に擲(な)げて云く、「此...
明、遂に之れを挙ぐるに山の如くに動ぜず、踟(ち)蹰(ちゅう)...
祖云く、「不思善、不思悪、正与麼(しょうよも)の時、那箇(な...
明、当下に大悟、遍体汗流る。泣涙作礼し、問うて曰く、「上...
祖曰く、「我れいま汝が為に説くものは、即ち密に非ず。汝若...
明云く、「其申、黄梅に在って衆に随うと雖も、実に未だ自己...
祖云く、「汝若し是の如くならば、則ち吾と汝と同じく黄梅を...
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無門曰く、「六祖謂つべし、是の事は急家より出でて老婆心切...
頌に曰く
描けども成らず画(えが)けども就らず、賛するも及ばず、生受(...
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「禅宗第六祖の慧能(えのう/638~713)は禅宗中興の祖といわれ...
慧能『この衣鉢は伝法のあかしであって、力で奪い合うもので...
この慧能の<力で奪い合うものではない>というコトバに慧明...
慧明『わたしが追っているのは正しい法なのです。衣鉢などで...
慧能『キミは善をなさんと信じて、衣鉢を取り返しにワタシを...
これを聞いて慧明はたちまち大悟した。汗が流れ、感涙を止め...
慧明『いま教えていただいた秘密をもっと深く知るためにはど...
慧能『そんなものは秘密でも何でもありはしないんだが・・・...
というハナシでした。慧能はこのあと十数年、隠遁生活を送っ...
「臨済の『無位の真人是れ什麼(なん)の乾屎けつ』に通じるね」
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『とっても多くのどちらの風が』 E.E.カミングス~
とっても多くのどちらの風が
ほんとうの事を夏のうそに与え
太陽をきらきらする葉で血にそめ
て不滅の星をねじってひっぱったらどうなっちゃうかな
王さまを乞食に 女王さまを らしい の状態に吹きとばせ
(友だちを悪魔に吹きとばし 空間を時間に吹きとばせ)
――空たちが首つりになり 海たちが溺れ死ぬ時
たった一つの秘密は依然として人間だろう
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身をきるような の一ふきの風が
みぞれと雪のつもった金切り声を立てている丘の
皮を剥ぎ 草木のロープで谷間を絞め殺し
て以前に白い化粧をしている森を窒息させたらどうなっちゃう...
希望を恐怖に吹きとばし 見ることを盲目の状態に吹きとばせ
(あわれみをうらやみに吹きとばし 生気を正気に吹きとばせ)
――誰の心は山で 根は木であり
それらは もしもし を春に呼ぶのさ それはそうなのだ
~
一つの夜明けの一つの運命の一つの夢が
この宇宙を真二つにかみ切り
その墓から永遠に を剥ぎ
でぼくときみとで どこという所でない所をふりまいたら ど...
うかな
もうすぐを 決して に 決して を二度の状態に吹きとばせ
(生命を でない に吹きとばし 死を であった に吹きとば...
ぼくたちの巨大な家を別にしたら全部のものはつまんないよ
死ぬ人がとってもたくさんであればある のほどぼくたちは生...
~
(藤富保男 訳)
~
1998/12/22
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→[[二十四【離却語言】>MUMONKAN/離却語言]]
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