『運命の女』斉藤由貴(角川書店)
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&br;
>>こないだの、とある夕暮れ。
ベッドで、うすぼんやりと
ねっころがっていたら、
なんか、地震のような気配があったので、
ぱっとおきあがった。
しばらくの間、身体じゅうをすましてみたけれど
どうも、思い違いらしい。
なあんだ、とねっころがりなおして、
また じっ としてたら、
あ、わかった。
なんのことはない、
あたしのもつあらゆる血が、
身体じゅうのあらゆる血管で脈うつのが
自分を揺りうごかして、
地震のように感じただけだったのだ。
&br;あたしはまず、血液の鼓動ってすごいなぁと思い、
それから次に、
こんなふうなひとりぼっちさ加減に
感心したのだった。
~
本棚を整理していたら出てきたのが、[[斉藤由貴『運命の女』:...
当時、僕は女優としての彼女のファンだったので、買ってはみ...
しかし、今回読み返してみると、おっ、これは・・・と惹かれ...
~
>>これはまるで、
水面に揺れる光の乱反射。
私の視線とあなたの視線が、
からんではほぐれ、くんでは解け、
そらしているのに身体がかんじてしまう。
&br;どうしてあなたは、
私をきらいじゃないんだろう。
私はそのせいで、いまだに救われないでいるのだ。
&br;頬にはじらいがともったので、
私はもう、あなたを見ていられない。
&br;
~
多くは少女詩風の恋愛詩なのだが、そういう詩にありがちな少...
~
>>どうしてあなたが悲しそうな
顔をするのかわからない
&br;先に恋をしたのは私なのに
ホンの軽口で沈んでしまうあなたは
私が思うよりずっと
罪は重いかもしれない
あなたがもしも本気でつかまって
しまっているのだとしたら、どうしよう
ここで私が逃げ出したら
どんなに惨酷に愉快だろう
&br;どうしていつもこうなのだろう、
どうして
&br;
~
テレビなどで見る彼女は非常にナルシスティクな印象で、実際...
~
>>真っ白い庭の中で、私は心がなくなる。
たちんぼうのまま、夢と手をつなぐ。
時間は無気力にページをめくる。
パラパラ、パラパラ・・・・・・続ける。
(期待は、やめたがいいよ。)
肯定的なあきらめで、穏やかに身体は
しかんする。
&br;そして、そこにいる最後の訪問者、
居ずまいよく
辛抱強く
私をまっていて下さった、
&br;孤独に、極上のほほえみを。
&br;
~
普段、何を言いたいのか、何を伝えたいのか、わけのわからな...
~
>>ぷちんと心を断ち切って、
たんぽぽを摘む。
&br;
~
難解なゲンダイシに食傷ぎみの方にはぜひ一読を勧めます。(...
さらにこの詩集の最終章は『マイ・シークレット・ラブ』と題...
~
>>私が何かの言葉を失くしてしまったのは
誰のせいでもない、私自身の為だ。
私の中で何かが死んで、腐乱しつつある。
最初からそこにいた酷い真実が
ゆがみきって苦しむ針のかたちになって
きりきりと私にねじこんでくる。
こんな悪夢をみせたのは誰だ。
&br;
~
(初出:1998/05/13 @ニフティ<現代詩...
&tag(詩人);
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>>こないだの、とある夕暮れ。
ベッドで、うすぼんやりと
ねっころがっていたら、
なんか、地震のような気配があったので、
ぱっとおきあがった。
しばらくの間、身体じゅうをすましてみたけれど
どうも、思い違いらしい。
なあんだ、とねっころがりなおして、
また じっ としてたら、
あ、わかった。
なんのことはない、
あたしのもつあらゆる血が、
身体じゅうのあらゆる血管で脈うつのが
自分を揺りうごかして、
地震のように感じただけだったのだ。
&br;あたしはまず、血液の鼓動ってすごいなぁと思い、
それから次に、
こんなふうなひとりぼっちさ加減に
感心したのだった。
~
本棚を整理していたら出てきたのが、[[斉藤由貴『運命の女』:...
当時、僕は女優としての彼女のファンだったので、買ってはみ...
しかし、今回読み返してみると、おっ、これは・・・と惹かれ...
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>>これはまるで、
水面に揺れる光の乱反射。
私の視線とあなたの視線が、
からんではほぐれ、くんでは解け、
そらしているのに身体がかんじてしまう。
&br;どうしてあなたは、
私をきらいじゃないんだろう。
私はそのせいで、いまだに救われないでいるのだ。
&br;頬にはじらいがともったので、
私はもう、あなたを見ていられない。
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多くは少女詩風の恋愛詩なのだが、そういう詩にありがちな少...
~
>>どうしてあなたが悲しそうな
顔をするのかわからない
&br;先に恋をしたのは私なのに
ホンの軽口で沈んでしまうあなたは
私が思うよりずっと
罪は重いかもしれない
あなたがもしも本気でつかまって
しまっているのだとしたら、どうしよう
ここで私が逃げ出したら
どんなに惨酷に愉快だろう
&br;どうしていつもこうなのだろう、
どうして
&br;
~
テレビなどで見る彼女は非常にナルシスティクな印象で、実際...
~
>>真っ白い庭の中で、私は心がなくなる。
たちんぼうのまま、夢と手をつなぐ。
時間は無気力にページをめくる。
パラパラ、パラパラ・・・・・・続ける。
(期待は、やめたがいいよ。)
肯定的なあきらめで、穏やかに身体は
しかんする。
&br;そして、そこにいる最後の訪問者、
居ずまいよく
辛抱強く
私をまっていて下さった、
&br;孤独に、極上のほほえみを。
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~
普段、何を言いたいのか、何を伝えたいのか、わけのわからな...
~
>>ぷちんと心を断ち切って、
たんぽぽを摘む。
&br;
~
難解なゲンダイシに食傷ぎみの方にはぜひ一読を勧めます。(...
さらにこの詩集の最終章は『マイ・シークレット・ラブ』と題...
~
>>私が何かの言葉を失くしてしまったのは
誰のせいでもない、私自身の為だ。
私の中で何かが死んで、腐乱しつつある。
最初からそこにいた酷い真実が
ゆがみきって苦しむ針のかたちになって
きりきりと私にねじこんでくる。
こんな悪夢をみせたのは誰だ。
&br;
~
(初出:1998/05/13 @ニフティ<現代詩...
&tag(詩人);
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