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#author("2021-01-31T11:40:40+09:00","default:minoru","minoru")
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【第16則】
>
   ''十六 鐘聲七條''&br;
''雲門曰、世界恁麼廣闊。因甚向鐘聲裏披七條。''
''無門曰、大凡參禪學道、切忌、隨聲遂色。縱使聞聲悟道、見色明心也是尋常。殊不知、納僧家、騎聲蓋色、頭頭上明、著著上妙。然雖如是。且道、聲來耳畔、耳往聲邊。直饒響寂雙忘、到此如何話會。若將耳聽應難會、眼處聞聲方始親。''&br;
    ''頌曰''
  ''會則事同一家 不會萬別千差 不會事同一家 會則萬別千差''
~
>  十六 鐘聲七條&br;
雲門曰く、「世界恁麼に広闊たり。甚に因ってか鐘声裏(しょうせいり)に向かって七條を披(き)る」。&br;
無門曰く、「大凡(おおよ)そ参禅学道、切に忌(い)む、声に随い色を逐うことを。縦使(たと)い聞声悟道(もんしょうごどう)、見色明心なるも也(ま)た是れ尋常なり。殊に知らず、納僧家(のうそうけ)、声に騎(の)り色を蓋い、頭頭上(ずずじょう)に明らかに、著著上(じゃくじゃくじょう)に妙(みょう)なることを。是くの如く然雖(いえど)も、且く道え、声、耳畔(にはん)に来たるか、耳、声辺に往くか。直饒(たと)い響と寂と双(なら)び忘ずるも、此に到って如何んが話会せん。若し耳を将(も)って聴かば応(まさ)に会し難かるべし。眼処(げんしょ)に声を聞いて、方に始めて親し」&br;
    頌に曰く
会するときんば、事、同一家(どういっけ)。会せざるときは、事、万別千差(ばんべつせんしゃ)。会せざるときも、事、同一家。会するときんば、事、万別千差

&br;
「雲門和尚は言う、
&br;

>>''『メを見開け。世界ははてしなく広い。それなのになぜ、お前たちは合図の鐘を聞くと、袈裟など着て粧し込むのか』''

&br;
広い、といっても空間的な広さのことでない」
「すべては”はてしなく”つながってヒトツ、ということやね」

&br;

>
>>  『生まれた年』  寺山修司&br;
>  『生まれた年』  寺山修司&br;
肖像画に
まちがって髭をかいてしまった
ので仕方なく
髭をはやすことにした
門番をやとってしまったから
門を作ることにした
&br;
一生は
すべてあべこべで
わたしのための
墓穴がうまく掘れしだい
すこし位早くても
死のうと思っている
&br;
恋人ができたから
恋をし
海水パンツを買ったから
夏が突然やってきたのだ
と
思うことがある
&br;
小学校の頃から
いつもすこしずつ 人より
遅れたものだ
半鐘が鳴りだしたから
あわてて放火したり
包帯があるから
あわてて血を流したり
&br;
そして
中年になったから老けて
順応について考察し
ズボン吊りを上げたり下げたり
しているのに
ただひとつ
そんなわたしの不愉快は
かなしんでいるのに
かなしい事が起こらぬことだ
&br;
この数年間
わたしはかなしみつづけ
それから耳をすまして
待ってみたが かなしみは
やってこない
かなしみのやつ
挨拶の仕方を忘れたか
と
わたしはふとった腹をなでながら
ありあまる人生を
ただひたすらに
かなしむことによって
かなしむ
という
ことにしているので
ある
&br;


&br;
   1998/12/12
&br;
→[[十七【國師三喚】>MUMONKAN/國師三喚]]

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