#author("2021-01-24T03:16:14+01:00","","") [[Poems]] #menu(Poems) #author("2021-01-25T16:47:05+01:00","","") #menu(Anthology/Poems) -Poems > Highway 99 Revisited &br; 鏡は 世界から受け取った光を記憶すると やがて物語にして差し返す&br; ある日 一匹のヒキガエルが Dr.ホリデイの診察室の鏡のなかに忍び込むと たちまち街中の鏡が曇ってしまった&br; 昼下がりの街路を 自転車に乗ったロートレアモン伯爵の 歯の隙間から漏れだした 雷鳴が轟き渡り&br; リバティ・バランスに射たれた男 が 義眼に映るカラスを消しゴムで消し ながら棺桶に入ろうとする ちょうどそのとき&br; 床屋のオヤジが剃刀を覗き込んだビリイ・ザ・キッドの 瞼を横に切り裂いた&br; 港のシネマでは 自分の顔を探しにスクリーンを抜け出たスタアたちが にわか探偵になって拡大鏡をしゃぶりながら 観客席を這いずりまわり 食いっぱぐれた批評家たちは マッチ遊びで暇つぶし&br; ひとさしゆびに火がついて やがてシネマは燃え上がる・・・&br; 踊り狂う白雪姫と 椅子取りゲームに興じる七人のこびとたち&br; それを見てナルキッソスは 片手で拍手する&br; みんな 好きなことを 好きなように やるんだよ&br; そうだ 雨が上がったら 出生証明書を受け取りにいこう お手数ですが 切符を拝見。 おや あなたもお急ぎですか? ナイトキャップを被ったハンプティが 追憶の栓抜きを持って 手招きする&br; 虹の彼方の&br; ハイウェイ99 へと &br;