#author("2021-01-17T18:18:35+01:00","","")
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[[Poems]]
#author("2021-01-24T03:00:25+01:00","","")


**即興詩
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   即興詩
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   #1
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古い額縁の中の絵のように
魔法瓶から注ぐ月の香りの記憶
彼女は退屈な卵
ブルーの仔犬のマーキング
散文的散歩のブルース
悲しみのダンス
ステップなキャラメルくちに
ブラウン管ベイビイ
走査線で屈折する感情
分裂しながら成長する孤独の遺伝子
街はネオンのスフィンクス
虹色の猫の轢かれた死骸
地中を掘り進むトンネル
アタマの中はスパーク (雷ラライ!) やがてシャワア
人類なんてシガー
歴史なんてネクタイ
マイ リトル セルフ
スパースタアラライララバイ
バイ
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   #2
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夢を分解したら日常になる
火を分解したらトマトになる
僕を分解したら礼儀正しい猫になる
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  ・  ・  ・
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詩を分解したら翅になって飛んでった
また志になって地を這った
また死になって歴史の皺になった
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  ・  ・  ・
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詩の皺は
魂をふかく刻んで
分解するので
詩人の顔は皺だらけになる
「ぼくたちはお互いに愛しあわなければならない
さもなくば死を」
と告げた詩人の顔を見よ
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  ・  ・  ・
&br;
蝋細工のコトバ使い
愉快な言語遊戯詩人たち
溶けてゆくのか
燃えながら
不妊の卵のごとく
曇った内面を直立させて
奇異奇異と鳴きながら
イメジは飛ぶ。
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  ・  ・  ・
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抒情詩はプラットフォームから
出発して
無人の駅についた
一服シガーをふかしてから
魂色の夕焼けに向かって
歩を進めた
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>  #6
&br;
イメージ。&br;
くりかえされるモノローグは卵に打ち付けた釘。それは剃刀によって捲れあがる感情の薄い膜に代入される幕間の狂言として、発光する闇の中をはじかれながら疾走する遠近感によって対話されるだろう。レターボックスも燃える閑かな昼下がり、釣瓶を落とす青空は深い井戸。マン・レイの震えるくちびる。ガラスの溜息のように深い秋。月と太陽。今、触ろうとするのは発端と終焉の均衡。サー・アルフレッド・ヒッチコックの退屈な心臓は熱望する、ルイス・ブニュエルの引き締まった義足を。携帯電話は魂の位牌、機械仕掛けの巫女。散乱するのは壊れた自我、薔薇、水滴、燐寸、手術用手袋。おお、この憂鬱な積み木を突きくずしてくれないか!キミの愛のアドリブで!
鏡の中の積み木がくずれる。すると・・・・・・世界がくずれる。忘れられた部屋の北窓を開くと揚羽蝶が群れ立つ。メッセンジャーは肉体を持たない影で、雲を持たない雨のなかを歩く。寒い卵が割れる。柩の中のせんちめんたるな死体は成長しつづける。「去年の秋、手についた曼珠沙華の紅い色がいくら洗ってもおちないの」。埋められた犬がザンゲと吠える。キミのお喋りがキミをもっと惨めにするとき、すごい音のオートバイがコーナーを廻ってくる。過去はぎっしりと釘のつまった壜。告白されても、その蓋を開けるべきかどうかとまどうばかりだ。パイプという実体のくゆらす脳髄の祈りがテーブルクロスにされたピカソのなぐさみになるだろうか?未来という額縁に野火炎立つとき、コーヒーカップにエコーする半鐘の問いかけ。ギター、蝙蝠、痙攣する伽藍のような深い眼差し。恋と放火魔と錠剤。&br;
これらはすべて観念にすぎない。ただ非日常性に震える夏の光りだけが現実なのだ、Please Kiss!
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