#author("2021-01-10T18:57:29+01:00","","") #menu(mumonkanMenu) 【第7則】 > ''七 趙州洗鉢''&br; ''趙州、因僧問、其甲乍入叢林。乞師指示。州云、喫粥了也未。僧云、喫粥了也。州云、洗鉢盂去。其僧有省。'' ''無門曰、趙州開口見膽、露出心肝。者僧聽事不眞、喚鐘作甕。''&br; ''頌曰'' ''只爲分明極 翻令所得遲'' ''早知燈是火 飯熟已多時'' ~ ~ 七 趙州の洗鉢(せんぱつ) 趙州、因みに僧問う、「其甲、乍入叢林(さにゅうそうりん)。乞う、指示したまえ」。州云く、「喫粥(きっしゅ)し了(おわ)るや、未(いま)だしや。」僧云く、「喫粥し了れり」。州云く、「鉢盂(はつう)を洗い去れ」。其の僧、省(せい)有り。 無門曰く、「趙州、口を開いて胆を見(あらわ)し、心肝を露出す。者(こ)の僧、事を聴いて真ならずんば、鐘を喚んで甕(かめ)と作す。」&br; 頌に曰く 只だ分明(ぶんみょう)に極まれるがために、翻(かえ)って所得をして遅からしむ。 早く灯(ともしび)は是れ火なることを知れらば、飯熟(はんじゅく)すること已に多時なりしなからんに。&br; &br; 「ふたたび登場の趙州和尚とかれの道場に新参した僧の対話。 &br; ''僧『和尚、指示をよろしく』'' ''趙州『朝ごはんはすましたかい』'' ''僧『はい、いただきました』'' ''趙州『茶碗をちゃワんと洗いなさい』'' ''僧はたちまち悟ってしまった。'' &br; ・・・・・・という」 「なんでそれで悟れるのかワカラン」 「この僧は、よそでずいぶん修行をつんだうえで、趙州のところへ来たんだね。もうサトリに至る一歩手前だったんだろう。つねに真理を求めていれば、ほんのささいなことが心眼を開くきっかけになる、というハナシ」 「ああ、投げた小石が竹にカチッと当たった音で悟った、とかいうやつ?」 「うん、それは【香嚴上樹】の香厳和尚のエピソード。あと、ブリキ板に照り映える太陽の光を見た瞬間とか。でもこんなことはきっかけにすぎないんで、同じ体験をしたひとが同じように悟るわけじゃない」 &br; > >> 『薔薇二曲』 北原白秋 一&br; 薔薇ノ木ニ 薔薇ノ花咲ク。&br; ナニゴトノ不思議ナケレド。&br; 二&br; 薔薇ノ花。 ナニゴトノ不思議ナケレド。&br; 照リ極マレバ木ヨリコボルル。 光リコボルル。&br; &br;「カイギャク(諧謔)でないことを、カイギャクとして提示することは最大のカイギャクである、と西脇順三郎は言った」 「それは芸術でないものを芸術としてみる、ことやろ。デュシャンのオブジェみたいに」 &br; 「『照顧脚下』足もとを見よ、と禅ではよく言うそうだ。真理だの仏だのといっても、オマエさん自身を離れてあるもんじゃないよ、ほら、そこにかしこに満ち満ちているではないか、と教えているんだと」 > >> 『***』 吉田加南子&br; 不意に投げだされたように ここにいる 投げた手はない &br; 1998/11/23 &br; →[[八【奚仲造車】>KEICHU'S WHEEL]]