Poems

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  Highway 99 Revisited


鏡は
世界から受け取った光を記憶すると
やがて物語にして差し返す

ある日 一匹のヒキガエルが
Dr.ホリデイの診察室の鏡のなかに忍び込むと
たちまち街中の鏡が曇ってしまった

昼下がりの街路を
自転車に乗ったロートレアモン伯爵の
歯の隙間から漏れだした
雷鳴が轟き渡り

リバティ・バランスに射たれた男 が
義眼に映るカラスを消しゴムで消し
ながら棺桶に入ろうとする ちょうどそのとき

床屋のオヤジが剃刀を覗き込んだビリイ・ザ・キッドの
瞼を横に切り裂いた

港のシネマでは
自分の顔を探しにスクリーンを抜け出たスタアたちが
にわか探偵になって拡大鏡をしゃぶりながら
観客席を這いずりまわり
食いっぱぐれた批評家たちは
マッチ遊びで暇つぶし

ひとさしゆびに火がついて
やがてシネマは燃え上がる・・・

踊り狂う白雪姫と
椅子取りゲームに興じる七人のこびとたち

それを見てナルキッソスは
片手で拍手する

みんな 好きなことを
好きなように やるんだよ
 
そうだ 雨が上がったら
出生証明書を受け取りにいこう
お手数ですが 切符を拝見。
おや あなたもお急ぎですか?
ナイトキャップを被ったハンプティが
追憶の栓抜きを持って
手招きする

虹の彼方の
 
ハイウェイ99 へと


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