Fujiwara Minoru
兵庫県神戸市に生まれる。
ちなみにホームページタイトルの「POEM CLUB月光密造舎」は神戸ゆかりの詩人、稲垣足穂の『一千一秒物語』のなかの「月光密造者」と「THE BLACK COMET CLUB」をもじってつけたもの。
【詩歴】
<1976~1978>
高校2年のとき、谷川俊太郎の詩に感動。じぶんでも詩を書き出す。そのころ書いていた詩は、
「鳥」から
空が物憂げに広がっているので
鳥は努めて Coquettish に振舞う
誰に見せるともなく
見ることもない
瞳はすべてを線描きにしてしまうので
空はさらに大きく主張する
ついには瞳は鳥を見つけられずに
涙のしずくの中に鳥を住まわそうとする
彼女は空の青さに思わず目を閉じる
ああ 私の恋なんてあの人の瞳に私の瞳がいて
自身の媚態に見とれていただけのことなのだわ・・・
彼女は自らの背中を徘徊し恋人の不在を確かめると
小さく肩を震わせ ため息を気嚢(きのう)に満たし
青空に身を投げた
というようなもので、谷川俊太郎の露骨なエピゴーネンである。こんなのを受験雑誌に投稿して賞品のシャープペンなどをもらっていた。ただし佳作ばかりでいちども入選しなかったので誌面に作品が掲載されたことはなかった。ほかには投稿歴はなく、詩を書く友人もいなかったので、結局じぶんの詩を人目にさらす機会はなかったことになる。
好きだった詩人。谷川俊太郎、西脇順三郎、田村隆一、ボブ・ディラン、プレヴェール。
高校卒業後はなんとなく詩から遠ざかる。
<1998~現在>
パソコンを購入し、ニフティの「現代詩フォーラム」に入会。約二十年ぶりに詩作再開。
じぶんの詩をひとに読んでもらうこと、ひとの詩について語ることをはじめて体験。どんどんのめりこみ、とうとうこうしてホームページまでつくることになってしまった。
いま好きな詩人。上にあげた詩人たちはあいかわらず好きである。そこにパソコン通信で出会った何人かの詩人たちの名がいまは加わっている。インターネットというパソ通よりさらに広大な世界で新たな出会いがあることを期待している。
科学者たちが新しい宇宙船を世界に向けて出発させる時、詩人は新しい言葉を世界に向けて出発させる。宇宙の沈黙の中で、それらは同じひとつの武器、人間を生き続けさせるための武器なのだ。
谷川俊太郎「世界へ----an agitation」
2000/03/07