Anthology/眩暈

Top > Anthology > 眩暈


  眩暈


あなたが悪戯な口笛のように
夏の庭に撒水するので
わたしの虹は劇的な哲学となりました
これはわたしらの恋の底なのでしょうか

あ、また 
香水瓶のなかに夕立の雲を閉じ込めましたね
こうして透かして見れば
あなたの長い手紙の理由(わけ)も知れましょう

始まるはずのないものが始まった
これは眠りのない夢なのですから
終わるはずのないものが終わることもありましょう

鏡のなかの顔ならすっかり暗記しましたよね
でもこころはすぐに変わります

――――階段を半分降りたら振り返ってください